小学生の頃、私はとても内向的でシャイで友達も少なかった。
人前で話すのが苦手だったので、きっと弱いやつに見えたのだろう。
同じクラスの男の子に虐められていた。
髪を引っ張られたり、描いた絵をゴミ箱に捨てられ、ノートを破かれたり。
いきなり後ろから叩かれて腕をつねられ暴言を吐かれた。
お腹や背中を思いきり蹴られて倒れ、床に横たわった私を見て、男の子は笑った。
先生や両親には、なぜか私は言えなかった。
周囲の大人を悲しませたくなかったのかな? 今思うと言えばよかったな。
中学生になると、登下校で下半身を露出した中年男性に遭遇した。
あとをつけられていることに気づき、交番まで走ったこともあった。
ものすごい恐怖だった。
度々電車で痴漢にあったり、図書館ですれ違いざまに身体を触られたことがあった。
幼稚な制服でおとなしく見えた為、狙われたと思う。最悪な思い出だ。
学校では粗暴な男子たちには近づかないように気をつけていた。
目立たないように地味に生きていた。
だけど、高校進学から私の人生は一変した。
勉強を頑張って、偏差値が高めの私服可の高校に入学できたのだ。
他者を尊重できる多くの友達と知り合い、学校が楽しいと思えた。
自由な校風で、髪色も好きなように変えてナチュラルメイクしてピアスも開けた。
それまでよりも自分に自信がもてるようになった。
そして初めて彼氏ができた。
彼は男性恐怖のトラウマから私を救って癒してくれて、まるでリハビリみたいだった。
守られている感じで幸せだった。
でも、わがままな私は付き合ってるうちに彼のことを散々振り回してしまった。
彼について心から信頼、尊敬できないと思うことも時折あった。
自分でもどうしていいのか分からなかった。2人とも疲れきっていたと思う。
ある日「もう別れたい?」と聞かれて「うん」と私は答えた。
家に帰って泣いた。
彼に別れを告げられて、この世界が終わってしまったと思った。
その後、しばらくして高校時代の元彼から突然連絡があった。
「元気?どうしてるのかなと思って」と。何事もなかったかのように。
私はあの頃、あんなに悲しくて鬱で不幸で毎晩泣いてたのに。
「今度会おうよ」と軽々しく、元彼は言った。
え、私いま好きな人いるし。
今更なんなの?ひどくない? と正直。思ってしまった。
こんなに長い時間が経過して、私はもう完全に忘れてたのに。
大学で新しいことを学び、新しい友達ができて、留学に行き外国人の友達と知り合い
私の世界は以前よりも広がっていた。もう元彼のことは過去になっていた。
そのとき私、乗り越えたんだっていうことに気づいた。
「ちょっと忙しいかも。今度連絡するね」と伝えて
その後、元彼のことブロックしちゃった。
ごめんなさい。
でも今は感謝してる。もう会うことはないと思うけど、ありがとう。